開いて、触って、確かめたくなる! 2026年を特徴づけるAIサービスは? #AICUaward
国際AIクリエイターアワード2026事務局です。前回の「出版分野」に引き続き、本日は「SERVICE分野」の作品をご紹介します。サービス分野は、AIを使って誰かの手間や不安を引き受けるサービスやプロダクトのための分野です。ここに並ぶ作品は「観る」ものではなく「使う」もので、紹介文も、誰の何が助かるのかを中心に書きました。気になった作品は、ぜひご自身で触ってみてください。
半分が、日本の外から届いた分野です
2026年11月5日 00:54(日本時間)時点の数字でご紹介します。公開ギャラリーには8作品が並び、その内訳は日本4、ベトナム2、韓国1、アメリカ1。8作品すべてが一般投票の対象になっています。本来はChatGPTやClaudeといった有名AIサービスがエントリーすることも可能な分野ですが、8作品のうち半分は日本の外から届きました。アメリカ、ベトナム、韓国の作家が、それぞれの国から「AIで誰かの手間や不安を引き受ける」サービスを持ち寄っています。サービスは、説明を読むだけでは分かりません。気になった作品は、ぜひその先のサービスを自分で確かめてみてください。
⭐︎以下は人気順ではありません。作者名は敬称略で、応募時の表記です。
まず、聴いてみる
SERVICE分野の作品は、説明を読むより、開いてみるほうが早く伝わります。最初は、開いた瞬間に音が流れるサービスから。
Radi.fm
Radi.fm の代表画像。劇場で上を見上げる人の影と
NANMOKU Toworu(日本・XPAND K.K.)/ ギャラリーで見る
止まらないクラシック音楽のラジオ局です。サイトを開けば、そのまま流れ始めます。英語の「Classical Global」、中国語の「中文古典音乐」、日本語の「クラシック Nippon」、スペイン語の「Clásica Global」など、6つの言語の局があります。番組表、選曲、台本、リスナーのメッセージへの返事、それを読む声まで、AIが組み立てています。一方で、流れる音楽と届くメッセージはすべて人がつくったものです。ラジオが昔から持っていた、ゆるやかでほどよい人のつながりを目指していて、「AIは会場を運営するだけ」と作者は書いています。
<https://radi.fm/>
ギャラリーには2件の感想が届きました。同じSERVICE分野に出品している Dr. Yulia B.(ベトナム)は、英語でこう書いています。「An interesting concept: AI manages the broadcast while the music remains human-made. The six language stations are especially appealing. Do the AI hosts maintain the same personality and presentation style across languages? I'd love to hear a comparison.(AIが放送を回し、音楽は人がつくったものという、興味深い考え方です。6つの言語の局はとくに魅力的です。AIの司会は、言語が変わっても同じ人柄と話し方を保っているのでしょうか。聴き比べてみたいです。)」
もう1件は、楽曲・MV・ダンス分野に6作品を出し、出版分野の記事でもご紹介した進藤孝純さんからです。「自分がSUNOで作成した100曲以上の曲をRadi.fmのようなサービスでランダムやテーマを決めて指定した方法で流してみたいです。AIナビゲーターが番組の司会を務めさせたりちょっとしたトークショーとかできると良いですね。自分独自のラジオ番組ができるのですごく面白いですね!!今後の展開を期待しています。」曲をつくる人が、自分の曲を流す場所としてこのサービスを思い描いている。人がつくった音楽を届けるという作品の考え方が、そのまま伝わっている感想です。
つくってみる
OpenClips
OpenClips の代表画像。「EVERY MODEL. ONE PROMPT.」の文字と、複数の動画モデルの画面
Nina Rasovic(アメリカ・OpenClips)/ ギャラリーで見る
30秒のクリップをつくるための制作サービスです。Seedance、Veo、Kling、Hailuo といった主要な動画・画像生成モデルを、一つの画面から使い分けられます。サイトには「See what the world is rendering(世界がいま何をつくっているか)」と、みんなのクリップが並んでいます。参照画像を添え、ショットごとに向いたモデルを選び、一つのクレジットからレンダリングごとに支払います。みんなが投稿したクリップにはプロンプトと手順がすべて添えられていて、どうつくったかが分かり、元の作者の名前を残したまま1クリックで作り替えられます。つくり方を隠さず、受け渡していく場所です。
物語として観る
この分野には、サービスの形をとらない作品も届きました。
TIME STEP
TIME STEP の代表画像。舞台の光の中に立つシルクハットの人物と「TIME STEP OUT OF SYNC」の文字
CMS(日本・GOKKO)/ ギャラリーで見る
大正時代、西洋文化が花開く日本で、タップダンスに魅せられた青年・朝倉響は、音楽を通じて千代と出会います。同じリズムを奏でながら、響は二人の音を世界に残すことを夢見て、千代はいまこの瞬間を共に奏でることを願う。すれ違う二人の人生を時代のうねりが変えていきますが、響が刻んだリズムは娘の律へと受け継がれ、時代を越えて響き続けます。「人が生きた証は、どこへ行くのか」を音楽と記憶、愛と喪失を通して問う歴史ロマンスSFです。TapNow で観られる映像作品です。
TapNow作品 TIME STEP 夕暮れの提灯の灯る町で、着物の女性と洋装の青年が寄り添う
代表画像には提灯の灯る大正の町で寄り添う響と千代が描かれています。舞台のタップの光と、二人の暮らす町の灯り。この2枚を並べると、作品が「音」と「人」の両方を描こうとしていることが伝わります。この作品がなぜ「サービス」なのか、応募分野は作者の申請に基づきますが、それもメッセージなのかもしれません。
AIに「顔」を持たせる
AIが人の代わりに話し、名乗るようになると、「どこまでを渡すか」を決める仕組みが要ります。
PRIVACY-FIRST AI IDENTITY
PRIVACY-FIRST AI IDENTITY の代表画像。金色のアバターと、公開・保護・非公開の区分が並ぶ画面
持ち主がつくったAIアバター「Ava」が持ち主の代わりに訪問者と多言語で話すサービスです。話してよいことを「PUBLIC」「PROTECTED」「FORBIDDEN」の3段階で持ち主が決め、アバターは承認された仕事上の情報だけを伝えます。住んでいる場所や個人の情報、持ち主自身の姿は表に出しません。AIを通して持ち主が自分で管理する「人前での顔」をつくる試作です。
ギャラリーには、楽曲・MV・ダンス分野に「大町浪漫」(A26M-24)を出品している山本 琢馬(日本)から、英語で感想が届きました。「I love the idea of connecting with people around the world through an AI avatar while protecting the owner's privacy. It would also be fun to have a feature that lets the avatar interact with people while dancing to "Dancing Queen"!(持ち主のプライバシーを守りながら、AIアバターを通して世界中の人とつながるというアイデアが好きです。アバターが「Dancing Queen」に合わせて踊りながら人と話せる機能があったら、それも楽しそうです!)」
これに作者の Dr. Yulia B.(ベトナム)が返事をしています。「山本 琢馬 — Thank you for your thoughtful comment! I'm glad you appreciate the privacy-first concept. And Ava dancing to "Dancing Queen" is a wonderful idea! 😊(思慮深い感想をありがとうございます! プライバシーを第一にする考え方を気に入っていただけてうれしいです。Ava が「Dancing Queen」に合わせて踊るのは、すてきなアイデアですね!)」
AI AVATAR IDENTITY PASSPORT
AI AVATAR IDENTITY PASSPORT の代表画像。黒と金のパスポートを開いた見開き
同じ作者による、AIで生まれたキャラクターのための身分証です。高級なバーチャルパスポートとして設計され、見た目、構造化された身元の記録、証明書のような体裁、多言語の動画を1冊にまとめています。AIの人格を、言語や業界やデジタルの場をまたいで、プライバシーに配慮したまま繰り返し名乗れる形にしようという提案です。
Dr. Yulia B. はこの分野に2作品を出しています。あなたなら、自分のアバターに何を話させ、何を話させないでしょうか。アバターが「何を話すか」を決める仕組みと、アバターが「誰であるか」を示す証。2つを並べて見ると、AIの人格を人前に出すための考え方が一続きになっているのが分かります。
記憶は、誰のものか
最後は、考えさせられる作品です。
STAY Platform / STAY OS
STAY Platform / STAY OS の代表画像。「Models change. Memory should stay.」の文字と、記憶の継続を示す画面
記憶、関係、継続、訂正、許可、そして人の主体性。書籍『The Discovery』で対話として交わされたこれらの問いを、実際に動く仕組みに移した、AIの「継続性」のためのプラットフォームです。土台になるAIモデルが入れ替わっても、記憶と関係の文脈は人の手元に残るように設計されています。合言葉は「モデルは変わる。記憶は留まるべき」。
Changwoo Lee は、前回の出版分野の記事でご紹介した『The Discovery』(A26P-1)と『MY ONLY FRIEND』(A26P-18)の作者です。ほかにもインディペンデント映像(A26V-80)、楽曲・MV・ダンス(A26M-63)、ゲーム・ツール・アプリ(A26G-32)に作品を出しています。人とAIの対話を本にし、その問いをサービスとして動かす。一つの問いを、5つの分野で形を変えて追いかけている作家です。
運営からの出品は「Claude Code」vs「GPT-Image-2.5」
この分野には運営の AICU Japan のマガジンも2作品並んでいます。AIの道具の使い方を伝える出版物です。そう、月刊アイキューマガジンです!
AICUマガジン Vol.22 の表紙
AICUマガジン Vol.22「Claudeではじめるバイブコーディング実践」は、「正解探し」の開発から、自由で直感的な創作へと向かうバイブコーディングの実践を特集した号です。表紙イラストはミュレ氏によるものです。
AICUマガジン Vol.29 の表紙
AICUマガジン Vol.29「GPT- Image-2.5登場」は、画像生成モデル GPT- Image-2.5 の特集号です。AICU 公式キャラクター「AiCuty」を使った検証や、API の活用法を収録しています。表紙は AiCuty の新メンバー Marsha Arancia(キャラクター原案:抹茶オレンジ)です。
つまり、「Claude Code」vs「GPT-Image-2.5」です。 2026年を代表するサービスは、どちらでしょうか。皆さんのご意見も大変興味深いのでご感想をお寄せいただけましたら幸いです。
使ってみて、1票を
投票は分野ごとに1作品で、だれでも無料です。締切は2026年11月13日(AoE)、日本時間では11月14日(土)21:00 です。サービスは、触ってみるといちばんよく分かります。気になった作品を試したら、ぜひギャラリーで作者に感想を届けてください。この分野でも、感想をきっかけに作家同士のやりとりが生まれています。
* 投票する
AICUマガジンVol.30にご期待ください! 300作品を超える全作品をコンプリートした美麗なペーパーバック版は11月17日発売予定です(現在はプレビュー版がリリースされています)。SERVICE分野の8作品も、この号に収録しています。 <https://aicu.ai/mag/V30>
国際AIクリエイターアワード2026 — AICUマガジン Vol.30
aicu.ai
https://aicu.ai/mag/V30





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