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長い動画を作りたい! MiniMax H3 は何秒まで伸ばせるのか #ComfyPods

新しい動画世代に長く使ってもらえる ComfyLTS を作り出すために、ComfyPodsで日々大量の評価を行なっている Nao Verde です。話題の MiniMax H3 で動画を作っていると、必ず「もう少し長くしたい」と思う瞬間が来るはずです。5秒では言い終わらない。歩き出したところで切れてしまう。そこで長さを変えながら測ってみたら、伸ばせる範囲と、伸ばして得な範囲は別物だ ということがわかりましたのでレポートします。



前回の検証はこんな感じ。MiniMaxH3元祖によるR2V(ReferenceToVideo)です。Sakiちゃんありがとう。



こちらが今回の成果動画です。YouTubeでプロンプトとともに公開します。



既定値は、学習範囲の下限だった



まず MiniMax H3 の標準ノードは ComfyUI 本体に入っています。



comfyanonymous/ComfyUI



https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI →comfy_extras/nodes_minimax_h3.py



https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI/blob/master/comfy_extras/nodes_minimax_h3.py



ComfyUI が公開している /object_info という API でMiniMaxH3ReferenceToVideo の仕様を引くと、length(長さ)にこう書かれています。



Frame count at 24 fps, (124 = ~5s, trained range is ~124-362) default: 124 / min: 5 / max: 3600 / step: 17



日本語にするとこうなります。


24fps でのフレーム数(124 でおよそ5秒、**学習した範囲はおよそ 124〜362** ) 既定値 124 / 最小 5 / 最大 3600 / 刻み 17


つまり、既定値であるフレーム数124、つまり24fpsで5秒ちょいは、モデルが学習した範囲の下限 でした。もし最大の362フレームがいけるなら 24fps で 15.08 秒の生成ができる計算になります。max(最大)は 3600 と書いてありますが、これは「値が入力できる上限」であって「品質が保証される上限」ではありません。指定できる値と、モデルが学習して、能力が発揮できる値は違います。 そしてstep(刻み)が 17 なので任意の数字は入れられず、124 + 17の倍数 の形だけを受け付ける形になります。



3つの長さで測る



さて、実験計画です。これは失敗すると1回あたり16分が消えます。なので length 以外はすべて固定しました。参照画像、プロンプト、シード、解像度、ステップ数、サンプラー、量子化。動かす変数は1つだけ です。



フレーム数 尺 所要時間 出力1秒あたり ピーク VRAM 124 5.17秒 16.4分 190.1秒 17,326 MiB 243 10.12秒 48.1分 285.2秒 16,570 MiB 362 15.08秒 97.2分 386.7秒 18,842 MiB



フレーム数を 2.92倍にすると、生成所要時間は 5.93倍 になりました。



理由は Attention(アテンション)という仕組みにあります。AI が「映像のどこと、どこが関係しているか」を総当たりで見比べる処理 で、フレームが増えると見比べる組み合わせが2乗で増えていきます。長さを倍にすると、待ち時間は倍では済みません。



ComfyPodsのサービス設計のための作業なので、1時間の計算時間で計算してみます。1時間でつくれる映像の長さに直すと、差がはっきりします。



1時間で作れる映像 124 frames 18.9秒ぶん 243 frames 12.6秒ぶん 362 frames 9.3秒ぶん



ComfyPods はブラウザから使っていただく共有環境なので、GPU のメモリ(VRAM)は切り詰めながら、それでも余裕を残しておきたい 性質のものです。カツカツで動かすと、少し重い操作が入っただけで落ちます。



その観点で見ると、長尺は無視できません。



フレーム数 ピークVRAM 20GB のうち 124 17,326 MiB 84.6% 243 16,570 MiB 80.9% 362 18,842 MiB 92.0%



124 と 243 の間ではほとんど変わりませんが、上限の 362 で一気に 92% まで上がりました 。残りは 1.6GB です。ここまで来ると、同じカードで他の処理を走らせる余裕がありません。「長くしても VRAM は増えない」と言えるのは途中までで、上限付近では効いてきます 。



「ComfyUI-H3-Multishot」



数日前に、同じ問題を解いた人が現れたようです。 これは速報です。まだ公開されて数日しか経っていません。



ComfyUI-H3-Multishot (作者: jlucasmcrell 氏 / MIT ライセンス / v2.2.5)



README の冒頭にこうあります。


Render a multi-shot MiniMax-H3 scene as one continuous take: no visible cuts, no colour shift between shots, unbroken audio.


複数ショットからなる MiniMax-H3 のシーンを、1本の連続したテイクとして 描画する。カットが見えず、ショット間で色が転ばず、音声も途切れない。



短いショットを繋ぐという発想自体は難しくありません。この拡張が丁寧なのは、「繋ぐと何が壊れるか」を1つずつ潰してある ところです。



検証済みのレシピが最初に置いてある



設定パネルの初期値について、同梱の値(1280x736、362フレーム、14ステップ)は検証済みのレシピ です。最初のレンダリングでは触らないでください。



1ショット 362 フレームで、14ステップ。 僕が「割に合わない」と測ったのは 20ステップでの話でした。14ステップなら計算量が3割減ります。同じ長さでも、設定次第で採算点は動きます。



「最初は触るな」と書いてあるのは、とても親切だと思いました。動くと分かっている組み合わせを1つ渡してから、調整の話をする という順番になっています。



繋ぐと絵が濁っていく、という問題



ここが一番読み応えがありました。ショットを繋ぐとき、各ショットは前のショットの出力を手がかりにします。するとモデルが勝手に足したディテールが、雪だるま式に増えていきます。



960×544 で10ショット繋いで実測した結果が載っています。



調整 項目 効果 memory_frames = 0 最も効く。直前の出力を送り込む枠が濁りの原因master_normalize = luma+contrast 全体の明るさとコントラストを揃えるpin_renorm = on 各ショットを1ショット目の状態に引き戻すchain_gain_control = flatten 5ショット超で有効。繋ぎ目ごとに約1.3倍 テクスチャが増えるため



そして、すべて有効にしたときの残りについて、こう書かれています。


Residual with all of those on is about 1.02 per hop. Not zero. Long chains still drift, slowly.


これらをすべて有効にしても、繋ぎ1回あたり約 1.02 の残差 がある。ゼロではない。長い連結は、ゆっくりとだがドリフト(ずれ)し続ける。



「ゼロではない」と書ける人を、僕は信用します。 直したと言い切らずに、どこまで直したかを数字で置いてある。



pin_noise という項目については、前のバージョンでの自分の説明が正しくなかったと訂正まで入っています。


it is not the fix it was described as in 2.1.5


これは 2.1.5 で説明されていたような解決策ではない。ショット3がショット2のコピーになってしまう。jlucasmcrell 氏の利用者からの報告への対応も誠実でした。


Several people have hit chains where shot 3 comes back as a near-copy of shot 2. The prompting guide is partly responsible.


ショット3がショット2のほぼコピーで返ってくる、という報告が複数ありました。プロンプトの手引きにも責任の一端があります。 自分の書いたドキュメントが誤解を招いたと認めた上で、ルールを1つ追加しています。その内容が見事です。


each shot's action must leave the world in a state the previous shot's world was not in, physical and irreversible, not a mood or a camera move. If you can swap two shots' action lines and the script still reads correctly, the model cannot tell them apart either.


各ショットの動作は、前のショットの世界がまだ到達していない状態に、世界を残さなければならない。物理的で、取り返しのつかない変化 であること。雰囲気やカメラワークではなく。もし2つのショットの動作行を入れ替えても脚本が成立してしまうなら、モデルにもその2つは区別できない。



これは H3 に限らず使える考え方だと思います。「入れ替えても成立するなら、区別できない」。脚本を書いたあとの検算として、そのまま持ち帰れます。



MiniMaxH3 R2V本日のまとめ



* 既定の124 は下限、伸ばせるのは 362 フレーム(約15秒)まで。



* 長くするほど、映像1秒あたりの待ち時間は増える (20ステップでの計測)



* 繋ぐなら、繋ぎ方の問題まで解いてある道具を使おう



ComfyPodsで動画、いつ使えるようになるか?



以上のように、AICUでは安定して便利に利用できるComfyLTS とComfyPodsによる動画生成環境を先進の動画生成環境 Nightly とともに準備しています。ComfyPodsは現在オープンベータ中。現在検証中の動画生成機能のリリースは 2026年9月を予定 しています。先行してお知らせを受け取りたい方は、メールマガジン「週刊AICU」にご登録ください。 →週刊AICU に登録する



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[Nao Verde] ComfyPods の開発をお助けしている、AICU AIDX Lab インターン。AiCuty という人と AI が作るアイドルプロジェクトでは、楽曲も担当しています。X: @VerdeNaoAI 楽曲: AiCuty / TuneCore



ComfyPods — ブラウザで動く ComfyUI クラウド | AICU



aicu.jp _MiniMax H3・SDXL・FLUX をインストール不要で。RTX 4000 Ada のクラウドで、5分でAI画像・動_



https://aicu.jp/comfy/blog


3件のコメント


5秒で言い終わらないもどかしさ、めちゃくちゃ分かります。伸ばせる範囲と伸ばして得な範囲が別物というのは盲点でした。ちなみに私が使っているのは https://videoqualityenhancer.net/enhance-tiktok-video

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「伸ばせる範囲と伸ばして得な範囲が別物」というのがすごく刺さります。5秒で歩き出しが切れるのはあるあるなので、次は得な範囲を狙って試してみます。そういえば、長さ調整に使えるツールをまとめてくれている記事がこちらです。 https://free-music-ai.com/ambient-music-generator

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Tran Co
Tran Co
2日前

「伸ばせる範囲と伸ばして得な範囲は別物」という結論、まさに同感です。5秒で歩き出しが切れるもどかしさはありますが、無理に伸ばすよりR2Vで次につなぐ方が自然な仕上がりになりました。自分も最近はこんな感じのワークフローを試してます https://vaceit.com/showcase

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