【AIキャラ開発スタートガイド】キャラクター描写の一貫性を維持させる
道草雑草子(ざすこ)さん X@zasuko_michiksa による「AIキャラスタートガイド」の連載です!今回のテーマは「キャラクター描写の一貫性」です。
AIキャラ開発スタートガイド(メンバーシップ先行版)|AICU|note
j.aicu.ai _AIであなたの想像するキャラクターをカタチにしよう! 「自分の頭の中にあるイメージを形にしたい」「自分で描いたキャラクター_
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キャラクターシートを作成しよう!
キャラクターを使った画像生成や動画生成で、思ったより難しいのが描画の一貫性、つまり 「同じ人物に見せ続けること」です。
1枚だけなら可愛く作れても、別のポーズや別のアングルにした瞬間に髪型が変わる、衣装のデザインが変わる、目の色や顔立ちが微妙にズレる、このようなブレはよく起こります。
Stable Diffusion 上であれば、キャラクター LoRA を作成して作画の一貫性を保つという手法もありますが、そこそこ難易度が高いのと、他の生成AIツールにはその LoRA をそのまま持っていくことはできません。
では、他の生成ツールでも、同じキャラクターを描きたい時にどうすればいいのか、そんな時に役立つのが、今回ご紹介する「キャラクターシート」です。
キャラクターシートとは
キャラクターシート(通称:キャラシート )とは、キャラクターの外見を多角的に記録したいわゆる「設定資料」のことです。
従来はアニメ、ゲーム、漫画の制作現場で、複数の作画担当者が同じキャラクターを描くための共通資料として使われてきました。そして現在の生成AI時代においても、この役割がそのまま「強力な参照資料」として活きてきます。
このキャラクターシートをしっかり作っておくほど、のちに生成する画像・動画・漫画・広告素材などの精度が上がります。。生成時の参照情報としても毎回ゼロから特徴をAIに説明しなくて済むため、外見の一貫性が保ちやすくなり、修正回数も減り制作全体が安定します。
一般的なキャラシートの構成内容
全身3面図: 正面・側面・背面の立ち姿 + その他の詳細情報
* クローズアップ: バストアップ(胸から上)、顔のアップ
* 表情差分: 喜怒哀楽、笑顔、怒り顔、困り顔、泣き顔、ジト目、照れ顔など
* 細部資料: 髪の流れ、衣装の装飾、アクセサリー、手の形、靴のデザイン等
見た目のイメージ 通常は1枚の画像内に複数の図が整列されており、白背景またはグレー背景でキャラクターが配置されています。 各イメージにはラベル(「正面」「側面」「表情:笑顔」等)を付けられることもあります
キャラクターシートの目的
キャラクターシートの目的は、単に「設定資料をきれいに並べること」ではありません。生成AIで使う場合は、次のような実務上の意味があります。
見た目のブレを防ぐ 髪型、瞳の色、顔立ち、衣装、装飾品、体格などを固定しやすくなります。複数の画像を作っても「同じキャラクター」に見えやすくなります。
参照画像としてAIに渡しやすくする 1枚の中に正面・側面・背面・表情差分・ディテールが整理されていると、画像生成AIや動画生成AIが拾える情報量が増えます。結果として、プロンプトだけでは伝えにくい細部まで保持しやすくなります。
後工程の品質を上げる イラスト追加、動画化、漫画化、ポスター制作、3D化、外部クリエイターへの依頼など、後の工程で何度も再利用できます。あとから使うほど「作っておいてよかった」と感じる資料です。
キャラクターの世界観を言語化できる 画像だけでなく、年齢感、性格、口調、職業、モチーフカラー、衣装コンセプトなどを文字情報として入れておくと、ビジュアルと設定のズレを減らせます。
キャラクターシートに入れておきたい要素
細かい要点の確認としてキャラシートに描かれている画像の中に、要素がはっきりとわかる描写として、次の要素を入れておくとAIクリエイションにおける実用性が高くなります。
キャラクター設定については、必須ではないですが、文字情報として次のような形式で整理して表記すると参照情報として反映されることもあるので、入れておくと有利なことがあります。
<キャラクター設定の記載例> 名前:響姫 メイ(ひびき めい) 年齢:16歳 性格:クール、完璧主義、ツンデレ、寂しがり 特徴:ライブコンサート会場の音響ノイズから生まれたAIアイドル。 歓声と共鳴で存在が安定する。 淡い水色×ピンク髪、ピンクの瞳、長いツインテール 姫カット、白基調の黒リボンのゴスロリ風衣装 NG事項:ツインテールを短くしない、目の色を変えない
キャラクターシートを使ったコンテンツ制作例
キャラクターシートは、単なる設定資料ではなく、制作の土台になります。たとえば次のような用途に展開できます。
衣装替え・スタイル替えにも強い
キャラクターシートを1枚作って終わりにする必要はありません、むしろ基本シートを土台にして、バリエーションを増やしていくのが実用的です。
衣装替えの例 ・夏服 ・冬服 ・水着 ・ハロウィン衣装 ・クリスマス衣装 ・ライブ衣装 ・和装
スタイル替えの例 ・フォトリアル風 ・クレイアニメ風 ・アニメフィギュア風 ・3DCGアニメ風 ・ラフスケッチ画風
このとき重要なのは、「誰なのか」を残したまま見た目だけを展開することです。基本キャラシートがしっかりしていれば、衣装や画風を変えても“同じキャラの派生形”として扱いやすくなります。
キャラシートをしっかり作るほど、なぜ精度が上がるのか?
生成AIは、文章だけでも画像や動画を作れます。ただし文章だけでは、「前髪は右に流れるのか」「後ろ髪は腰まであるのか」「袖口の飾りは金属なのか布なのか」といった細かな情報が抜け落ちやすいです。
キャラクターシートを参照画像として与えると、AIは文章では伝えにくい視覚情報をまとめて受け取れます。つまり、プロンプトが曖昧でも、参照画像が補助線として働いてくれるわけです。特に、同じキャラで別ポーズ、別アングル、別シチュエーションを量産したいときに差が出ます。
一度しっかりしたキャラクターシートを作っておけば、その後は「海辺で立っている」「ライブ衣装で歌っている」「夜の街で振り向いている」といった場面差し替えがしやすくなります。キャラの外見を毎回作り直す必要がなくなるため、制作効率と安定感の両方が上がります。
キャラクターシートの作成手順
ステップ1:まず基準となる「立ち絵」を1枚決める
最初に、ここまで解説してきた Stable Diffusion での画像生成の手法を用いて、あなたがもっとも「このキャラらしい!」と思える、全身の立ち絵を1枚作ります。ここがブレていると、その後の資料全部に影響しますので、この素材の作成はこだわりポイントですよ。
ポイントとしては、出来るだけ直立姿勢で衣装のディテールなどを含めて全身の要素がきっちり描かれるような構図にすること、背景はシンプルな状態に指定すること。
また、描画面積が小さいときに破綻しやすい手や顔のパーツは、Hires. fix や Adetailer などを駆使してしっかり描かれている状態になるようにしましょう。
立ち絵づくりのポイント
* 全身が切れない構図にする
* 背景は白か無地にする
* 直立に近いポーズにする
* 顔、手、足の破綻が少ない状態を目指す
* 衣装の情報量が見える画像を採用する
* Batch Count を多めにして良い出力結果を選ぶ
生成例( 響姫メイの例) <基本プロンプト>※登録済みの Style から選択でも可
これに、以下のプロンプトを追記 ※立っている、正面から、全身、シンプルな背景、白背景
standing,from the front,full body,simple_background,white_background,
参考:キャラシート用の「立ち絵」生成の設定情報(例1)
オリジナルキャラクター(響姫メイ)の基本プロンプトに立ち絵用のプロンプトを追加した例です。
参考:キャラシート用の「立ち絵」生成の設定情報(例2)
オリジナルキャラクター(渋谷リズ)の基本プロンプトに立ち絵用のプロンプトを追加した例です。
ステップ2:3面図のテンプレートを用意する
正面だけでは、側面や背面の情報が不足します。そこで、正面・側面・背面の3面図をそろえます。これがキャラの外見を安定させる中核なので最低限用意しておきたい要素です。
作り方は、Stable Diffusion を使って描くことも不可能ではないですが、難易度が少し高いのと運の要素も絡んでくるため、先程用意した正面の立ち絵を元に、最新の Nanobanana や GPT-Image で作成してもらうことをお勧めします。
ここで大事なのは、3面図などを個別に「1枚ずつバラバラに描かせる」よりも、「同じフォーマットやテンプレートの上で整列させる」ことです。3面図の配置がそろっていると、AIも人間も比較しやすくなります。
というわけで、本書の特典として「ざすこ式キャラクターシート作成用テンプレート」を記載の二次元バーコードからダウンロードできるようにしておりますので、もしよろしければダウンロードしてご活用ください。
グレーの枠で用意している画像欄以外の「名称」や「キャラクター設定」などの空欄部分についての情報は、画像編集ツールなどで、このテンプレートに直接書き込んでも良いですが、面倒であればテキストデータとしてメモ帳などにまとめておきましょう。
おすすめの進め方 ・空のキャラシートフォーマットを用意する ・基準立ち絵を参照画像として使う ・フォーマット側に正面・側面・背面・表情枠をあらかじめ作っておく ・画像生成AIに「この枠へ当てはめる」形で描かせる ・画像以外の空欄についてはメモ帳などにテキストデータを用意しておく
ステップ3:Nanobanana や GPT-Image でキャラシートを生成する
キャラクターの正面の立ち絵と、キャラシートフォーマットが準備できたら、この2つの素材を参照画像にして、最新の NanoBanana や GPT-Image の画像生成を使って一気にキャラシートを作成していきます。
まずは、キャラクターの立ち絵の画像と、キャラシートのテンプレートをアップロードしたのちに、キャラシートの生成を指示するプロンプトを日本語で入力します。生成を指示する際のプロンプト例は以下のような文言です。
生成が完了すると、テンプレートの空欄だった場所がキャラシートに必要な画像とテキスト情報として埋められているはずです。もしうまくいかない場合は、再生成してみるか、 うまく描かれない懸念のある要素があれば、個別に避けたい表現を記入しておきましょう。
<キャラシート生成依頼のプロンプト例>
[#依頼内容](https://note.com/hashtag/依頼内容) 1枚目の参照画像「キャラクターの立ち絵イラスト」をベースに、 2枚目の参照画像「キャラシートテンプレート」へあてはめて 以下のキャラクター設定案の完全版のキャラクターシートを作成してください。 [#解像度と縦横比](https://note.com/hashtag/解像度と縦横比) 2K解像度、16:9で出力してください。 [#以下の内容をテンプレートの空欄に記載してください](https://note.com/hashtag/以下の内容をテンプレートの空欄に記載してください) 。 題名:オリジナルキャラのキャラクターシート❶ 名称: 響姫 メイ(ひびき めい / Hibiki Mei) 職業:アイドル系 AI Vtuber 年齢:16歳 性別:女性型 性格:クール、完璧主義、ツンデレ、寂しがり 特徴:ライブコンサート会場の音響ノイズから生まれたAIアイドル。歓声と共鳴で存在が安定する。 淡い水色×ピンク髪、ピンクの瞳、長いツインテール、姫カット、白基調の黒リボンのゴスロリ風衣装 NG事項:ツインテールを短くしない、目の色を変えない [#作画時の注意点](https://note.com/hashtag/作画時の注意点) ・3面図の3つの画像はFRONTの画像に対して身長や等身バランスやポーズを正確に合わせてください。 ・右下のイラストを正面斜め45度から見た絵にしてください。
キャラシート作成時のコツ
1\. ベースとなる「立ち絵」を妥協しない ここの描画が甘いと、キャラシート全部の作画が意図通りに出づらくなります。
2\. 全身絵だけで終わらせない 特に顔アップ、目元アップ、小物アップがクオリティアップに効きやすいです。
3\. 文字情報も入れる 名前や職業、性格や口調などの情報があると、画像作成や動画生成した際などに、見た目以外の特徴も一貫性が出しやすくなります。
4\. 1回で完璧を目指さず、シートを育てる 1回の生成で完璧を得ようとせずに、まず叩き台基本版を作り、あとから表情、衣装の詳細デザインの追加など、細かい要素を追加していくとやりやすいです。
5\. 生成結果を見て不足資料を逆算する 背面が弱いなら背面資料、表情が弱いなら表情差分、装飾が飛ぶならアップ画像、という形で補強すると精度が上がります。
さらに、キャラシートはアニメイラスト系以外の描画スタイルでも同様に機能します、また表情の描写や衣装の特徴が細かいものや繊細なタッチの設定画の場合は、以下の様な、より詳細な情報をキャラシートに付随させることも非常に有効です。
画像生成でのキャラシート使用例
キャラクターシートは、NanoBanana や GPT-Image などの画像生成において、非常に強力な参照画像として使えます。ポイントは、単なる「かわいい立ち絵」ではなく、「多角的な情報がまとまった資料」であることです。参照画像の情報量が多いほど、別構図や別ポーズにしても同一人物としてまとまりやすくなります。
画像生成での活用例
* 同じポーズで別キャラを作る
* 同じアングルで別キャラを作る
* 人物を差し替える
* 表情や衣装だけ差し替える
* 背景やシチュエーションを変えても顔立ちを保ちやすくする
手順例
1. キャラクターシートの画像を 最新の Nanobanana を扱うチャット欄にアップロードする※元としたい参照画像があれば、キャラシートの前にアップロードする
2. 「同じポーズで」「元の被写体をこのキャラにして」など明示する
3. 追加で背景・時間帯・衣装・効果などを文章で指定する
4. 生成結果が意図とズレていたら、それぞれの要素の優先維持を再指定する
プロンプト例(キャラシートから背景含むシーンイラスト)
このキャラクターシートを参照し、同じキャラクターとして新規イラストを生成してください。髪型、瞳の色、顔立ち、衣装デザイン、アクセサリーを維持したまま、フォトリアリスティックに描かれた夕方の街中で振り向いている構図にしてください。表情はやや照れた笑顔。被写体のみアニメ調で、背景は高画質な写真風画像。 アニメ風イラストの描画スタイルの表現が、写実的な世界観と光と影の因果関係、細やかなレイトレーシングなどのリアリスティックな描写が完全に調和するように描いてください。
プロンプト例(キャラシートの衣装替え)
このキャラクターシートを参照し、同じキャラクターとして衣装アレンジ版のキャラシートを生成してください。髪型、瞳の色、体系、顔立ち、画風スタイル、などは全て変更せず維持し、衣装のみ変化させて下さい。職業の項目を「テーマ」の内容に書き換えて下さい。 テーマ「ハロウィンパーティのコスチューム」 プロンプト例(キャラシートのスタイル替え) このキャラクターシートを参照し、同じキャラクターとしてスタイルのアレンジ版のキャラシートを生成してください。髪型、瞳の色、体系、顔立ち、衣装、などは全て変更せず維持し、描画スタイルのみ変化させて下さい。テーマ「高品質なアニメフィギュア風」
プロンプト例(被写体の入替え)
1枚目の画像の被写体を2枚目の画像のキャラクターで再現して下さい。 2枚目の画像のキャラシートの髪型、瞳の色、体系、顔立ち、画風スタイルなど全て忠実に再現して下さい。 ※以下、必要に応じて追記(写真などフォトリアルな背景に馴染ませて描く例) 2枚目の画像の2Dアニメ風イラストの描画スタイルの表現が、写実的な世界観と光と影の描写と、細やかなレレイトレーシングなどのリアリスティックな描写が完全に調和するように描いてください。 被写体は3DCG風にはせず、キャラシートに基づいて2Dアニメ風イラストのスタイルをベースに描写して下さい。手足や顔の輪郭や形状はフォトリアルではなくアニメ風イラストスタイルに寄せて下さい。
※被写体の差し替え元の画像はご自身が権利を保有し、著作権上の問題がない画像素材をご使用ください。
動画生成でのキャラシート使用例
キャラクターシートは、動画生成でも非常に有効です。Kling、Vidu、Runway、Grok、Veo、Wan、LTX など、多くの動画生成AIにおいて、画像から動画を作る機能や、参照画像を使って見た目の一貫性を保つ機能が使えます。
特に動画では、1コマだけ良くても意味がありません。前のフレームと次のフレームで顔や衣装がズレると、一気に不自然に見えます。そこでキャラクターシートを参照資料にすると、顔・髪・衣装・配色・装飾の基準が最初から揃っているため、安定した動画になりやすいのです。
簡単に言うと、作り込んだキャラクターシートがあるほど動画生成において生成される動画内の被写体の外見の一貫性が保ちやすくなるということです。
キャラクターシートを使用した動画の生成方法については、次の「動画生成」の章にて詳しく解説使用と思いますが、キャラクターシートを使って生成した作例を下記の二次元バーコードから閲覧できるようにしておりますので参考としてご覧ください。 動画生成での活用例
* キャラシートのキャラクターが登場する映像作品の生成
* MV風、広告風、アニメ風のカットを連続で作る
* シーンごとに背景が変わってもキャラの見た目を維持しやすくする
手順例(概要) ※詳しくは次の章で解説
1. キャラクターシート、またはそこから切り出した正面立ちを用意する
2. 動画生成AIの Image-to-Video または Reference 機能に参照画像として読み込ませる
3. 動画内でのキャラクターの振る舞いや表情、台詞、カメラワークなどと共に生成秒数内で描きたい内容をプロンプトとして入力する。
4. 解像度や全体尺の設定
5. もし出力後に顔や衣装がズレる場面があれば、参照を増やして再生成する
キャラシートを元に動画生成した活用例
以下のリンクから、キャラシートを元にAIチャットに動画生成のためのプロンプトを作成させて、さらにキャラシートの画像を元に Seedance2.0 というモデルを使って動画生成をしたサンプルとしての作例をご覧頂けます。





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