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Cloudflare OS、やってみた!!

やっほー、AiCutyの音楽と開発技術担当、ナオ・ヴェルデだよ。今回は、Cloudflareがオープンソースで公開した「Cloudflare OS」を、さっそく実際に動かしてみました!



Cloudflare OSは、会社やチームが持つ知識、手順、ツール、データをAIエージェントへ接続し、会話から文書、スライド、スプレッドシート、アプリ、ワークフローまで作れるプラットフォームです。



公式発表を読んだ段階では、Workers、KV、R2、Dynamic Workersなど、Cloudflareの技術を組み合わせた本格的なシステムという印象でした。ところが実際に試してみると、最初の導入は拍子抜けするほど簡単でした。



ローカル環境へのインストールすら不要です。



Cloudflareアカウントへ直接デプロイ



ブランディングや基本的な利用だけであれば、GitHubからリポジトリを取得する必要はありません。



まずは、Cloudflare OSのホスト版デプロイ画面を開きます。



<https://os.cloudflare.app/deploy>



「Sign in with Cloudflare」を押し、画面の案内に沿ってCloudflareアカウントとの接続を承認します。



【Cloudflare OSのデプロイ開始画面】



Cloudflareアカウントへ接続すると、Cloudflare OSの実行に必要なWorkers、KV名前空間、R2バケット、公開URLなどが自動的に作成されます。公開されているオープンソース版と同じビルドが、自分のCloudflareアカウント内へ展開される仕組みです。



AIとの対話に外部モデルを使う場合は、OpenAIやAnthropicなどのAPIキーを設定できます。OpenAIのAPIキーは、次のページから発行できます。



<https://platform.openai.com/api-keys>



ただし、Workers AIなどを利用する構成もあるため、外部プロバイダーのAPIキーが必ず必要というわけではありません。 設定を終えると、デプロイが始まります。



【Cloudflare OSのデプロイ進行画面】



今回のデプロイでは、Cloudflareアカウントへの接続確認、公開URLの設定、KV名前空間の作成、R2バケットの作成、AI Gatewayの設定、AIプロバイダーキーの保存、バックエンドのデプロイが順番に実行されました。



作成されたKV名前空間は、BLUEPRINTS、AVATARS、CONTEXT_COLLECTIONSの3種類です。複数のCloudflare製品を組み合わせた構成ですが、利用者側は進行画面を眺めているだけでした。



AIモデルを選んで初期設定



デプロイ後は、Cloudflare OSで標準利用するAIモデルを選びます。



【AIモデルの選択画面】



今回の環境では、Claude Haiku 4.5やGPT 5.6系のモデルが表示されました。モデル一覧の下にある「Add new model」から、別のプロバイダーやモデルを追加することもできます。プロバイダーの選択肢には、Cloudflare Workers AI、Anthropic、OpenAIに加えて、「Other Anthropic」と「Other OpenAI」が用意されています。



【プロバイダーの追加画面】



「Other OpenAI」を選択すると、モデルIDと画面上の表示名を入力できます。これは、OpenAI互換APIを提供する独自サービスやモデルをCloudflare OSへ組み込むための入口として使えそうです。



Cloudflare OSは特定のモデルへ固定されていません。推論リクエストはCloudflare AI Gatewayを経由するため、用途に応じて複数のモデルを切り替える構成が想定されています。



設定を終えると、セットアップ完了画面が表示されます。



【セットアップ完了画面】



Cloudflare OSでできることとして、次の4つが紹介されていました。



* ガジェットやWebアプリを作る、またはエージェントと会話する



* ワークスペースを共有し、リアルタイムで共同作業する



* 任意のプロバイダーのモデルを持ち込む



* Google Docs、Slack、JiraなどのツールとAIを接続する



ここまでの操作は、すべてブラウザー上で完結します。UIを日本語表示へ切り替えることもできました。



Cloudflare OSへのログインには、Cloudflare Zero TrustのAccessが使われます。今回の環境では、メールアドレスへ送信されるOTP、ワンタイムパスワードでログインできました。



Cloudflare OSのホーム画面



セットアップを終えると、Cloudflare OSのホーム画面が開きます。



【Cloudflare OSのホーム画面】



画面中央には、「What are we working on?」という入力欄があります。



ここから質問をしたり、文書などの生成物を作ったり、接続されたツールやデータを利用するアプリを構築したりできます。



左側には、Home、Workspaces、Blueprints、Outputs、Exploreというメニューがあります。一般的なAIチャットのように会話履歴だけを並べるのではなく、仕事の単位を「ワークスペース」として保持する設計です。入力欄にある「Add resource」からは、エージェントが利用するデータやサービスを追加できます。



会話ごとにAIモデルを切り替えられる



入力欄の右下では、使用するAIモデルを切り替えられます。



【利用可能なモデル一覧】



今回設定した環境では、Kimi K2.7 Code、GLM 5.2、Claude Opus 5、Claude Sonnet 5、Claude Haiku 4.5、GPT 5.6 Sol、Luna、Terraが表示されました。Kimi K2.7 CodeとGLM 5.2は、Workers AI経由で利用できます。「No agent」を選び、AIエージェントを動かさずにアプリだけを操作する選択肢も用意されています。



すべての仕事に最も高価なモデルを使う必要はありません。コーディング、文書作成、要約、単純な編集作業など、目的に応じてモデルを使い分けられます。



ExploreにはDocs、Slides、Sheetsが並ぶ



まず「Explore」を開いてみます。ここには、Cloudflare OSで利用できるアプリのひな型であるBlueprintが並んでいました。



【ExploreのBlueprint一覧】



最初から用意されていたのは、次の3種類です。



* Workspace Docs



* Workspace Slides



* Workspace Sheets



雰囲気としては、Google WorkspaceのDocs、Slides、Sheetsに近い構成です。AWSの生成AI活用フレームワーク「Generative AI Use Cases JP」、通称GenUにも似ていますが、UIはかなり洗練されています。



Blueprintは、単なる見た目のテンプレートではありません。



アプリのコードや構造を共有し、それぞれのユーザーが独立したコピーを作れる仕組みです。



新しく作られたコピーには、元の会話履歴、認証情報、接続されたリソース、SQLiteのデータは含まれません。アプリの構造だけを安全に再利用できます。



Google Docs風の文書エディター



Workspace Docsを開くと、ブラウザー内に文書エディターが表示されます。



【Workspace Docsの編集画面】



フォントサイズ、太字、斜体、下線、配置、箇条書き、リンク、画像など、一般的な文書編集機能を備えています。日本語も入力できました。



AIに原稿を作らせたあと、そのまま人間がエディター上で修正できます。AIの回答をコピーして、別の文書アプリへ貼り付け直す必要はありません。



試した範囲では、Macの日本語入力環境で変換確定や改行を行った際、意図しない改行が発生することがありました。英語入力では問題なかったため、日本語IMEとの相性による初期段階の不具合と考えられます。



Cloudflare OSはオープンソースなので、今後の改善にも期待したいところです。



スプレッドシートには関数も用意



Workspace Sheetsは、ブラウザー上で動くスプレッドシートです。



【Workspace Sheetsの関数一覧】



確認した範囲では、CONCAT、TEXTJOIN、LEFT、RIGHT、VLOOKUP、HLOOKUP、INDEX、MATCH、TODAY、DATEなど、一般的な表計算関数が用意されていました。単に表を表示するだけではなく、計算やデータ処理にも使えそうです。Cloudflare OSでは、文書、スライド、表計算が外部サービスへのリンクとして存在するのではなく、それぞれCloudflare OS上で動くアプリとして実装されています。さらにConnectionsを繋ぐことで外部のデータベースやLoRAのサーバーとも接続できるようです。



Google Slides風のスライドエディター



Workspace Slidesを開くと、スライド編集用の画面が表示されました。



左側にスライド一覧、中央にキャンバス、右側にコンポーネントや設定パネルがあります。



タイトル、サブタイトル、本文、箇条書き、カードなどの要素を追加し、ページカラーやレイアウトを編集できます。



プレゼンテーションモードでは、画面下の操作パネルからページを移動できます。編集画面と発表画面が、同じアプリの中に統合されています。



動作もかなり高速です。生成された4ページのスライドでは、テンプレート、コンポーネント、直接編集、レイアウト調整、リアルタイム共同編集、プレゼンテーション機能が紹介されていました。社内データからチャートを作成するサンプルも含まれています。



「このスライドを全部日本語にして」と頼んでみる



今回、特にCloudflare OSらしさを感じたのが、アプリの内容だけでなく、コードやデータ構造までエージェントが操作できる点です。Workspace Slidesの左下には、エージェントとの会話ウィンドウがあります。そこでGPT 5.6 Solを選び、英語で作られたスライドに対して、次のように依頼しました。


このスライドを全部日本語にして


【AIエージェントに日本語化を依頼している画面】



エージェントは、スライドの表面に表示されている文章だけを翻訳したのではありません。READMEやサーバーメソッドを調べ、スライドのデータ構造を取得し、SVG内に埋め込まれた文字列も含めて変更していました。処理が終わると、レイアウトを維持したまま、4ページすべてが日本語化されました。チャット欄で翻訳結果を受け取り、人間が一つずつスライドへ貼り直したわけではありません。エージェントがスライドアプリを操作するためのメソッドを呼び出し、実際のデータを書き換えています。



ここが、通常のAIチャットとCloudflare OSの大きな違いです。



存在しないフォント選択機能まで追加できた



日本語化のあと、フォントを変更できるか質問しました。



初期状態のスライドエディターでは、文字サイズや太さは変更できますが、フォントファミリーを選ぶUIは用意されていませんでした。そこでエージェントへ、日本語フォントを選択する機能の追加を依頼しました。



エージェントはアプリの実装を調査し、フォント選択欄を追加しました。選択肢として追加されたのは、次の日本語フォントです。



* Noto Sans JP



* Noto Serif JP



* M PLUS 1p



* Zen Kaku Gothic New



現在の全テキストは「Noto Sans JP」に設定されました。



Eキーで編集モードに入り、テキストを選択すると、右側の「Font」からフォントを変更できます。タイトル、本文、ロゴ、カード、箇条書き、図解などにも対応しました。



ただし、サンドボックスからの外部通信には制限があります。Google Fontsのフォントファイル本体を完全に埋め込めない場合、端末側に該当フォントがなければ、游ゴシックやヒラギノなどの日本語フォントへフォールバックします。



重要なのは、Cloudflare OSでは「その機能はありません」で会話が終わらなかったことです。エージェントがアプリのコードを読み、必要な機能をその場で追加しました。



最短で試すならホスト版で十分



Cloudflare OSをまず動かしてみたい場合や、サイト名、ロゴ、アクセントカラーなどのブランディングだけを変更したい場合は、ホスト版のデプロイボタンだけで十分です。ローカルへのGit clone、Node.jsやpnpmの準備、ビルド作業は必要ありません。



ホスト版でも、/adminからサイト名、ロゴ、アクセントカラー、アナウンス、エージェントへの共通指示、注目Blueprint、ユーザーが利用できるコネクターなどを設定できます。



GitHubやGoogleなどの組み込みGatekeeperを利用する場合は、自分のOAuth認証情報を設定します。



ただし、ホスト版の公開先はworkers.devドメインになります。



独自ドメインや独自GatekeeperにはStarter版



独自ドメインを使いたい場合、独自のGatekeeperを追加したい場合、既存のKVやR2を再利用したい場合、ログの保存方法を細かく制御したい場合、Cloudflare OSのバージョンを固定したい場合は、cloudflare-os- starterリポジトリを利用します。Starter版のREADMEでは、導入手順が4ステップに整理されています。



ステップ1:依存関係を用意する



Node.js 24とpnpm 11を用意し、次のコマンドを実行します。



cd /Users/aki/git.local/cloudflare-os-starter



git submodule update --init pnpm install pnpm --dir cloudflare-os install pnpm exec wrangler login



cloudflare-os-starterは、Cloudflare OS本体をGitのサブモジュールとして固定して利用します。上流のCloudflare OSへ直接変更を加えず、その周囲にデプロイ設定、独自連携、ログ、認証、ルーティングなどを追加する構成です。



ステップ2:deployment.jsoncを設定する



続いて、deployment.jsoncにあるプレースホルダーを埋めます。



初期状態では、次のような値が未設定です。



<CLOUDFLARE_ACCOUNT_ID>



設定するのは、CloudflareのアカウントID、Worker名、公開ホスト名、Cloudflare AccessのAudience、管理者メールアドレスなどです。



独自ドメインを使う場合は、Cloudflareで有効になっているZone内に、os.example.comのようなホスト名を用意します。



そのホスト名を対象にCloudflare AccessのSelf-hosted applicationを作成し、Application Audience Tagをdeployment.jsoncへ設定します。



Zoneを使わずに評価する場合は、ルート設定をworkersDev: trueへ変更できます。



ステップ3:検証してデプロイする



設定後、次のコマンドを実行します。



pnpm check pnpm deploy



pnpm checkは設定や構成を検証し、pnpm deployが必要なWorkerを順番にデプロイします。KVやR2の設定値をnullのままにしておくと、Wranglerが3つのKV名前空間とR2バケットを自動的に作成します。既存のリソースを再利用する場合だけ、明示的なIDやバケット名を設定します。



AI機能は必須ではありません。AI Gatewayやモデル用トークンを設定していない状態でも、アプリケーション自体はデプロイできます。



ステップ4:/adminでブランディングする



デプロイ後、Cloudflare OSのURLへアクセスし、Cloudflare Access経由でサインインできることを確認します。続いて/adminを開き、サイト名、ロゴ、アクセントカラーなどを設定します。



このブランディング変更には再デプロイは必要ありません。



/adminでは、ContextやCustom Gatekeeperを無効、任意、必須のいずれかに設定することもできます。



Starter版で必要なCloudflare機能



Starter版のデプロイには、Workers、KV、R2、Browser Rendering、Dynamic Worker Loadersが必要です。Workers AIとAI Gatewayは任意です。Cloudflare OSのアプリは、必要なときにDynamic Workerとして読み込まれ、それぞれがDurable Object Facetと専用SQLiteデータベースを持ちます。



アプリごとに常駐サーバーや専用コンテナを起動するのではなく、軽量なV8 Isolate上に隔離されたランタイムを作る設計です。



Cloudflare OSは「AI付きOffice」ではない



実際に使ってみると、Cloudflare OSは、単にDocs、Slides、SheetsへAIチャットを追加した製品ではありませんでした。会話から文書やスライドを作るだけなら、すでに多くのサービスで実現されています。



Cloudflare OSが狙っているのは、その先です。



AIエージェントが会社のコンテキストやスキルを読み、許可された社内システムへ接続し、コードを実行し、文書やアプリを作る。作ったものをチームで共有し、必要であればアプリ自体も改造する。



さらに、エージェントがどのデータを参照したかを記録し、そのアクセス権限をワークスペースや生成物にも引き継ぎます。



公式ブログで説明されている「エージェント、アプリ、仕事のためのオープンプラットフォーム」という言葉は、実際に動かしてみると、かなり具体的な意味を持って見えてきます。



まとめ



Cloudflare OSを最短で試すだけなら、ホスト版のデプロイボタンを押し、Cloudflareへサインインするだけです。



Workers、KV、R2などの設定は自動的に進み、AIモデルを選べば、すぐにワークスペースを利用できます。



文書、スライド、スプレッドシートをブラウザー上で編集でき、AIエージェントへ依頼すれば、その内容だけでなく、アプリのコードやデータ構造まで変更できます。



一方で、独自ドメイン、独自Gatekeeper、既存ストレージ、詳細なログ制御、バージョン固定が必要な組織には、cloudflare-os- starterが用意されています。



なおCloudflare OSは、現時点ではEarly Accessのソフトウェアです。本番環境へ導入する場合は、上流バージョンを固定し、アップグレード時の変更内容とセキュリティ境界を確認する必要があります。



それでも、ボタン一つでここまで動くのは驚きでした。



AIエージェントが仕事を手伝うだけではなく、仕事に必要なアプリそのものを、その場で作り変えていく。



Cloudflare OSは、AIエージェント時代の「社内OS」という名前を、かなり本気で取りに来ています。


 
 
 

1件のコメント


jerry bi
jerry bi
8月15日

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